日本で多く利用されている暖房器具には「電気または灯油ストーブ」「ガスまたは灯油ファンヒーター」「エアコン」「オイルヒーター」などでしょうか。
あわせて「こたつ」や「ホットカーペット」を併用されている方もいらっしゃるかと思います。
様々な暖房器具があるなかで、導入のしやすさや費用、ランニングコストなどを考慮した結果だととは思いますが、暖房器具から発生される熱がどのように伝わるのかというと、
「伝導」「対流」「輻射」
という3つになります。
この3つの熱の伝わり方と、どの暖房器具が該当するかを簡単にご説明すると、
- 伝導>熱に直接触れることで温かさが伝わる(ホットカーペット、湯たんぽ、床暖房)
- 対流>温められた気体や液体が移動することで温かさが伝わる(エアコン、ファンヒーター)
- 輻射>高い温度から低い温度へ放射される赤外線が物体に当たると熱に変換され、温かさが伝わる(薪・ペレットストーブ、オイルヒーター)
となります。
実際には3つの方式が複数組み合わせたものもありますので、すべてが該当するわけではありませんが、主に暖房器具としては上記のようなものになります。
おそらく大多数のお宅では「対流」方式の暖房器具が主暖房として利用されているかと思いますが、ペレットストーブや薪ストーブは輻射熱暖房となります。
輻射熱暖房のメリットは遠赤外線により体の中から温まることや、家の壁や床なども温まることで室温以上に体感温度が上がること、血液循環が促進することで頭から足元までの温度差が少ないこと・・・などなど、数え切れないほどのメリットや効果があります。
自然エネルギーの活用や省エネ、地球温暖化対策の技術評価や政策に関する研究をされている、東北芸術工科大学の三浦秀一先生はペレットストーブや薪ストーブを、
「家の中の太陽のような存在」
と表現をされていて、太陽の熱の伝わり方が輻射の代表的なものですので、非常に共感しました。
ただ残念ながら輻射熱暖房の快適さを体感できる環境が、日本(特に首都圏や神奈川県)には少ないのでイメージがしにくいのですが、一度ペレットや薪ストーブを導入して体感された方は、ペレット・薪ストーブなどの輻射熱暖房が手放せなくなるのは、寒い冬に「家の中の太陽のような存在」を体感されているからかもしれませんね。